「たちあがる 街から」

                    あおいなおき

十月中旬、もう こんなに寒い季節到来かと
部屋にうづくまれば
僕の小さな庭にも 秋の陽ざしが一杯だ

 ポコ ポコの あたたかさ

金木犀は 今が花と香りのさかり
おとなりの柿の実も 例年通りの
今がたべごろの 秋だ

七月十八日の水の跡が
のきしたに 直線にのこっている

団地のむこうで
ブルーがうなり
秋の青の深みに
クレーンが 首をうごかしている

つかみあげられる土嚢に
あの日の 汗の記憶が重たい

街をあるけば さわやかに吹く 秋の風
コン コン コツ コツ
トンカチの 音
室内装飾屋さんの車が通る
工建やさんのトラックが通る

たちあがる まち
たちあがりつつある まち

だが チョッピリで いい
みんなで記憶にとどめよう
更地にかえったままの跡地の悲しみを

秋が深まり 雪が追いかけてくる
僕らは その季節をのりこえて
春を迎えるだろう

たちあがる 僕らのまち

こころあたたまるストーリー