洋菓子職人の父と 和菓子職人の息子。
菓子に魅せられた 親子が生んだ味。
四角四面でいいじゃない。美味しいことにまっすぐな
職人ふたりの“こころ菓子”。
〜和風ばーむくーへん〜
お互い職人どうしですから、厳しい眼で確かめ合ってお菓子をつくっています 家族みんなで協力して『丸岡家』の味を守っています ボランティアで子ども向けのお菓子づくり教室をしています
 バームクーヘンと言えば、きっと皆さんは輪切り形を思い浮かべるでしょう。ですが、『丸岡家』は丸くない。四方八方きれいに納まる四角形。洋菓子職人の父と和菓子職人の私、親子で作り上げた和洋折衷のバームクーヘンです。
 しっとり柔らかい生地の間から満ちる、やさしい甘みと香りは、おひがしにも用いられる最高級の砂糖「和三盆」。上品な中にもほっとするような余韻を残します。
 なぜ四角くしたのかとよく聞かれますが、実はきっかけは機械の故障でした。だめになった菓子と残りものの生地…、動かない機械の前で親父と捨てる捨てないで喧嘩になりましてね。捨てられないですよ、あんなにきれいな黄色の生地。焼いてあげなきゃ生地も立つ瀬がないだろうと思い、とにかくオーブンに入れてみようということになりました。そこで新しい発見があったのです。丸く焼くより四角のほうが、生地の縞模様に味がある。洋菓子のようであり、モダンな和菓子にも見えるのです。親父と私はさっきまで喧嘩していたことも忘れて、これを新しい和洋菓子にしようと大盛り上がり。味わいに和の香りを加えるために和三盆を使い、「和風ばーむくーへん」を完成させました。おかげさまで結婚式の引出物や贈答品に喜ばれ、県外からも注文をいただける看板菓子になっています。
 私は以前から、お声掛けいただいては菓子教室を開いたり、地域の子どもたちにお菓子づくりの楽しさや仕事の魅力を伝える活動をさせていただいています。つくる時、贈られた時、食べる時、どんな時もお菓子は人を笑顔にする力があることを伝えたいから。私はこの“こころ”をお菓子に込め、美味しいものをつくり続けていきます。「時を重ねる」という意味を持つ、このバームクーヘンのように。
(語り手/店主息子 竹内健人)
お菓子処 丸岡家
福井市春山2丁目18-18
пF0776-22-5394
営業時間:AM8:30〜PM7:30
休日:毎週火曜(祝日の場合は営業)
HP:http://maruokaya.exblog.jp/